こんにちは。にのじです。
今回は、私が使用しているカリウム液肥の作り方を紹介します。作ること自体は大してお金もかからない上にめちゃくちゃ簡単なのですが、必要かどうかは管理している水槽によって違ってくるので、その判断基準についても触れておきます。
![にのじ](https://www.nojirium.com/wp-content/uploads/2019/06/ninoji.png)
施肥する前にじっくり考えましょう。
水草育成に必要な栄養素とは
三要素とバランス
おそらくこのページに辿り着くような水草水槽を管理している方であれば既にご存知かと思いますので、ざっくりとまとめます。
まず、水草が成長するためには大きく分けると三要素と微量元素の2種類の栄養素が必要です。
最も必要とされる栄養素。生体の老廃物や落ちた葉などが分解されることで供給される。
開花や新芽の展開に必要とされる栄養素。主に生体の餌から供給される。
元気な状態を保つための栄養素。水槽においては意図的に添加しなければほとんど供給されない。
カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄…etc
普通に生体を飼育している水槽では、三要素のうちカリウムだけが不足してしまうことがわかります。ここで重要なのが“リービッヒの最小律”です。
リービッヒは、植物は窒素・リン酸・カリウムの3要素が必須であるとし、生長の度合いは3要素の中でもっともあたえられる量の少ない養分によってのみ影響され、その他2要素がいくら多くても生長への影響はないと主張した。
「リービッヒの最小律」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
2019年7月16日 (火) 15:06 UTC
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%92%E3%81%AE%E6%9C%80%E5%B0%8F%E5%BE%8B
つまり、不足している栄養素があると、その影響を受けて他の栄養素も使われなくなってしまうということです。引用元に載せられているドベネックの桶のイラストがイメージしやすいかと思います。どうせなら栄養素を無駄にせず水草の成長に使って欲しいですよね。
バランスが崩れるとどうなるか
さて、気になるのは“水槽内に足りているのに水草に使われなかった栄養素はどうなるか”という点です。答えは単純で、コケの養分になります。
私の水槽も立ち上げから約4ヶ月後に突然コケがつく速度が上がり、掃除をしても3日後にはガラス一面緑になったり、流木から黒髭コケが出るようになってしまいました。そして、コケは元気に育っているくせに水草の元気がなく、特に根に近い下の方の葉が縮れたり白っぽくなったりしていました。これらの特徴から、水槽内のカリウムが不足している(=窒素、リン酸が過剰に存在している)と判断し、対策としてカリウムを添加することにしました。
- 不足している栄養素があると、水草が他の栄養素を使い切れない。
- 水草の様子から栄養素の過不足を判断する必要がある。
- 水槽内で余った栄養素はコケの発生原因になる。
![にのじ](https://www.nojirium.com/wp-content/uploads/2019/06/ninoji.png)
不足している栄養素を補うか、過剰な栄養素を減らすことでバランスを良くしましょう。
カリウム液肥、店から買うか?自ら作るか?
方針が固まったので色々な肥料を調べてみたのですが、有名なメーカーから出ているカリウム液肥は結構いいお値段がするんですよね…。加えて、私にとって不要な栄養素が含まれていたりいなかったり…結構面倒です。最終的に調べる作業に疲れ、「もういい!自分で作る!」と行き着いたのが自作カリウム液肥でした。
カリウム液肥の作り方
材料
材料 | 分量 |
炭酸カリウム粉末 | 50g |
精製水 ※沸騰させた水道水でもOK | 500㎖ |
上記の材料は液肥そのものを作るためのものなので、別途容器を準備して下さい。私は100円ショップで容量600㎖のプッシュボトルを購入しました。安いボトルは大体柔らかいプラスチックでペコペコしますが、これは硬いので恐る恐る扱わずに済みます。おすすめです。
![プッシュボトル](https://www.nojirium.com/wp-content/uploads/2019/07/20190608_2152388403748037400538298.jpg)
作り方
ざっくり言うと入れるだけなんですが、入れる順番だけ気をつけてください。
- 精製水を半分くらい入れる
- 炭酸カリウムを入れる
- 残りの精製水を全て入れる
![計量中](https://www.nojirium.com/wp-content/uploads/2019/07/20190716_1404025461155210036390530-1.jpg)
仮にボトル内に少しだけ水分があった場合、いきなり炭酸カリウムを入れると化学反応が起こり、超高濃度・強アルカリ性・そして反応熱によって高温となったカリウム水溶液が出来上がります。ボトルの素材によっては溶けてしまうかもしれないので、上記の順番で入れるのが一番安心だと思います。
炭酸カリウムが溶け切ったらキャップを締めて完成です。適量で作ってもpH10〜11のアルカリ性なので、扱いには充分注意して下さい。余った炭酸カリウムは湿度の低い冷蔵庫で保管しましょう。
![にのじ](https://www.nojirium.com/wp-content/uploads/2019/06/ninoji.png)
我が家では間違っても食べないように冷蔵庫の一番上に入れてます。
![嫁のじ](https://www.nojirium.com/wp-content/uploads/2019/06/yomenoji.png)
いま私をチビ扱いしたな??
水槽への添加方法
一般的にはこの濃度であれば水量20ℓに対し1㎖を毎日添加せよ、みたいな感じだと思います。私の水槽はそこまでがっつり水草が生い茂っているわけではないので、ちょっと少なめに添加しています。ご自身の水槽に合わせて、少量から添加してみて下さい。
![にのじ](https://www.nojirium.com/wp-content/uploads/2019/06/ninoji.png)
ちなみに上で挙げたボトルだと2プッシュで3㎖出ます。
まとめ
カリウム液肥の添加を始めてから、以前よりもコケがつく速度が落ち、週一の掃除でも景観を損ねなくなりました。水草も好調で、ロタラが毎日目視でわかるくらい伸びています。ついでにビオトープへもちょっとだけ添加して、メダカの好むpHに近付けたりもしています。
今回は以上です。
![にのじ](https://www.nojirium.com/wp-content/uploads/2019/06/ninoji.png)
同じような症状でお悩みの方は是非試してみて下さい!
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
それではまた!
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